『飲食店繁盛のヒケツ』
島津 好孝
株式会社LINK&VALUE
代表者
■経歴:
1994年に東京農業大学を卒業後、大手外食チェーン店に入社し、店長、マネージャーを経験。
2004年に船井総合研究所に入社して、飲食業・ホテル業を中心にコンサルティング活動を実施。
2007年、株式会社LINK&VALUEを設立し、代表者に就任。
→ホームページは
こちら。
■専門分野:
飲み放題での差別化
飲食店の宴会に欠かせないのが飲み放題です。
多くのお店では、宴会コースとのセット売りが大半です。
料理プランでは差別化できていても、飲み放題の内容はどのお店も似たようなものが多いでしょう。
今回は、飲み放題メニューでの差別化戦略を考えたいと思います。
1 ドリンクの原価把握
一番原価がかかるのがビールです。
樽の仕入れ値や洗浄回数にもよりますが、概ね1杯150円〜200円というところです。
カクテル類で1杯100円前後、一般的な焼酎では1杯50円前後、日本酒では150円前後といった金額です。
原価が高いとイメージされるワインもピンキリですが、安いもので1杯60円くらいから揃えることができます。
2 一人あたり平均注文杯数
私のご支援先での平均をとると一人あたり4.3杯(90分)という数字がでてきています。
女性グループでは、カクテルやサワーが中心となり、男性グループではビールとカクテル、サワー、焼酎がよくでています。
3 客層や業態によるドリンクニーズの違い
ビールを一切飲まず、ワインやカクテルばかり注文するグループ、ビールしか飲まないグループ、ビールと焼酎ばかり飲むグループ
・・飲み放題の原価算出が一番難しいのがこのドリンクニーズの差があるからです。
4 飲み放題の原価の実際
ある3店舗(和風居酒屋、イタリアン)での1ヶ月平均の一人あたり飲み放題の原価を調べてみました。
(炭酸、氷は原価に含めず)
・和風居酒屋A 690円(一人あたり平均杯数 4.9杯 飲み放題種類 18種類)
・イタリアンB 590円(一人あたり平均杯数 4.4杯 飲み放題種類 30種類)
・イタリアンC 540円(一人あたり平均杯数 4.2杯 飲み放題種類 22種類)
3店ともに1500円の飲み放題プランですが、原価は500円〜700円に収まる結果となりました。
33%〜46%の原価率に収まっていることになります。
5 稼げる飲み放題メニューとは
お客様の利用動機やニーズに合わせた、きめ細かい飲み放題サービスが支持を集めます。
例えば
@ 飲み放題の時間による料金価格差(90分、120分、180分 延長対応)
A 飲み放題の人数による料金価格差(人数が多ければ安く)
B 飲み放題の種類による料金価格差(ビールあり、なしの対応)
C ノンアル客向けの飲み放題メニューの充実(ノンアルコールカクテルの充実)
D 飲み放題プランのお客様は優待価格でボトルワインやプレミアムドリンクが注文できる
E 時間帯で早割(18時迄)、遅割(22時以降)などの特典設定
F シルバー割(60歳以上)の導入
G 女性グループ割引
既存の飲み放題メニューに上記の要素を取り入れてみてください。
これらも、宴会の幹事様へのアピールポイントになるはずです。