『飲食店繁盛のヒケツ』
島津 好孝
株式会社LINK&VALUE
代表者
■経歴:
1994年に東京農業大学を卒業後、大手外食チェーン店に入社し、店長、マネージャーを経験。
2004年に船井総合研究所に入社して、飲食業・ホテル業を中心にコンサルティング活動を実施。
2007年、株式会社LINK&VALUEを設立し、代表者に就任。
→ホームページは
こちら。
■専門分野:
コスト削減 Part.2
前号では冷蔵庫の電気代金節減についてお話しさせていただきました。
今回はガス料金の節減について考えてみます。
■ 熱効率を知る
ガス器具の熱効率は、一般的なガスコンロで40%程度、給湯器で80〜90%と言われています。
器具の選定においても、熱効率の高い製品を選択することが「エコ運営=コスト削減」につながります。
特に給湯器ではカタログ値で95%の高効率給湯器も販売されています。
■ 湯を沸かす場合は給湯器とガスコンロの併用がベスト
熱効率から考えると、給湯器で80℃の湯を取り出して、
鍋に移してガスコンロで加熱するほうがよりガス料金の節約につながります。
■ 給湯器の温度を1℃下げる
みなさんは、給湯器の設定温度は何℃に設定されていますか?
忙しいお店では、一日中給湯器が稼働していると思いますが、
お湯を出していないときでも種火はついていますので
、原則、使わない時はスイッチを切ることが大切です。
今回はガス給湯機の設定温度を1℃下げた場合には、
どれくらいのコストが削減されるのか計算してみましょう。
・水1kgを1℃上昇させるのに必要なカロリー = 1kcal
・水1リットル = 1kg
・1立方メートル = 1,000リットル
ある店舗(客数1日250名)では1日に3立方メートルの湯を使っていました。
この3立方メートルの水を20℃から40℃に温めるのに必要なガスの量は、
3立方メートル×1000(リットルに変換)×20(温度差20℃)=60,000kcal
60,000÷0.9(給湯器のカタログ熱効率の90%で計算)÷24,000(プロパンガスの熱量)=2.78立方メートル
これを1℃下げて、40℃から39℃にすると、ガスの削減量は、
2.78立方メートル÷20=0.139立方メートル
年間のガス削減量は、
0.139立方メートル×365日=50.7立方メートル
50.7×300円(ガス概算単価)=15,210円
上記事例の飲食店において、給湯器の温度を現在より1℃下げることで、
年間15,210円の経費節減につながります。
たかが1℃ですが、季節や外気温に合わせてきめ細かい温度管理をしていくと、
更にムダを削減することができます。
エアコンの温度だけではなく、給湯温度にも着目してみてはいかがでしょうか?