『飲食店繁盛のヒケツ』
島津 好孝
株式会社LINK&VALUE
代表者
■経歴:
1994年に東京農業大学を卒業後、大手外食チェーン店に入社し、店長、マネージャーを経験。
2004年に船井総合研究所に入社して、飲食業・ホテル業を中心にコンサルティング活動を実施。
2007年、株式会社LINK&VALUEを設立し、代表者に就任。
→ホームページは
こちら。
■専門分野:
コスト削減 Part.1
お店のマネジメントではFLコスト以外にもエネルギーコストが大きな負担になっています。
電気料金の値上げも行われ厳しい環境ですが、
店舗でできるエネルギーコストの削減について考えたいと思います。
これらは1円のコスト削減=1円の利益増となりますので楽しんでやってみてください。
■ コスト削減の基本は掃除
掃除は儲かります。一番スタンダードな項目ですが、果たしてどれくらい儲けがでるのでしょうか?
例えば、冷蔵庫を例にとります。
業務用冷蔵庫には必ずフィルターがついていますが、
このフィルターをこまめに掃除することで電気代金がどれほど変わるのでしょうか?
※検証:6枚扉冷蔵庫1台、2枚扉冷蔵庫1台
【測定方法】
@ フィルターを清掃しないで14日間の消費電力を測る。
A フィルターを清掃してから7日間の消費電力を測る。
B Aでまた清掃して更に7日間の消費電力を測る。
清掃しない14日間と清掃した14日間の消費電力を、
6枚扉冷蔵庫、2枚扉冷凍庫で電力モニターを使用して測定しました。
【測定期間】 冬季
【結果】
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清掃前の14日間平均
(kwh/日)
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清掃後の14日間平均
(kwh/日)
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削減量
(kwh/日)
|
削減率
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冷蔵庫
(6枚扉)
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11.19
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9.51
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1.68
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15.01%
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冷凍庫
(2枚扉)
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7.53
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7.36
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0.17
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2.26%
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【年間のコストインパクト】
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年間の削減量
(kwh)
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設定単価
(円/kwh)
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年間削減金額
(円)
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冷蔵庫
(6枚扉)
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613.2
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15 ※
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9,198
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冷凍庫
(2枚扉)
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62.05
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930
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合計
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675.25
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−
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10,128
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※地域、電力会社との契約により変わります。
最低でも1週間に1度、冷蔵庫、冷凍庫のフィルターを清掃することで、
年間1万円近くを経費削減することができます。
測定は冬季なので、夏季は削減量の上乗せも考えられます。
厨房内の冷却機器の台数が多いほど削減金額も大きくなります。
その他、冷蔵庫の冷却効率が上がるため、コンプレッサーの稼働時間短縮、修理機会も少なくなります。
もう1歩すすんで、凝縮機のアルミフィンのホコリも掃除すると完璧です。
掃除機、ブラシで隙間のホコリを取り去れば、熱交換効率もあがりさらなる節電効果があがります。
同じような例では、冷凍ストッカーの霜取りもこまめに行うことで年間数千円のコスト削減が可能です。
掃除は利益UPと捉えて、ぜひ実践してください。
次号ではガス料金についてお伝えいたします。